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スーパーナブラの描く次世代ネットアイドル像

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第3回目の今回は「スーパーナブラ」

さんをご紹介します。

 

 

【1】波立つ水面

 

私がスーパーナブラさんを初めて知ったのは、YouTubeにて素敵旅動画を探していた時だったのですが、釣り人以外にはなじみの薄い「スーパーナブラ」という言葉が示すように

彼女は本格的な釣り師として知る人ぞ知る存在のようです。

 

※ナブラ=子魚が捕食魚に追い詰められて海面が波立つ様子。

 

インスタグラムに投稿された、彼女の身体と同じくらいありそうな大物を釣り上げている写真と、YouTube動画内のおとなしそうな様子とのギャップには、驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。

 

釣り動画のジャンルでは、美しい女性釣り師が数多く活躍されていますが、ミステリアスな雰囲気のスーパーナブラさんは、その中にあっても存在感を放っています。

 

SNSを使用した情報発信は、現代の常識としてすでに定着したと言えるのかもしれません。常に姿を変化させる時代に生きる私達は、様々な年代の配信者を日々生み出すYouTubeの垣根が、SNSと等しくなる過渡期を目撃しているのでしょうか。

 

動画という性質上、配信者の持つ外見の魅力はそれだけで一定の支持を集めそうですが、個人情報の拡散に対する盲目的な怖れを若者が中心となり次々と乗り越えだした今、外見単体で勝負できるハードルはこれから高くなるのかもしれません。

 

YouTube配信への心理的な障壁が、いつの時代も新たな物を生み出す若者の手により崩された影響を、誰よりも感じているのは、すでに人気を確立している女性配信者のようにも思えます。

 

普段ほとんど女性YouTuberの動画を見ないので単なる想像に過ぎませんが、旅動画も配信されている「SekineRisa」さんや「ゆきりぬ」さんの動画を拝見すると、「可愛さ売り」だけを考えれば手を出さない演出も大胆に取り入れておられ、そのプロ意識に驚きました。

 

変顔シーンを要求される場面で、可愛さ売りの椅子から手を放さない女性アナウンサーはめずらしくありませんし、実際に本気の変顔がマイナスとなる可能性も十分考えられると思います。

 

しかしSekineRisaさんとゆきりぬさんは、椅子から手を放さないまま歩む先に何が待っているかを理解し、可愛いのに手を離せる配信者はまだまだ少ないことも把握した上で、自分の表現出来る世界を追求されているように感じます。

 

そんなお二人と比べると、スーパーナブラさんは系統がまた違うようです。全く違うと言うほうが正確かもしれません。いや、可愛いという部分では共通しているようにも思います。

 

そもそも実際に知らない人を語ることにチラシの裏以上の意味などないのですから、彼女達の演じる作品からファンの思い描く姿こそが真実なのでしょうか。

 

 

【2】静寂の世界

 

行動力と繊細さがスーパーとも言えるスーパーナブラさんには、おそらくこの動画から人気に火が付いたのでは?と思える作品があります。

 

それが【冬の北海道で赤ちゃん猫を保護しました】です。今回、記事を書くため何カ月ぶりかに見直したにも関わらず、初めて見た時と同様に言葉を失ってしまいました。

 

冷静に振り返ると他の旅動画の時も私はおとなしく見ているのですが、心の中でも言葉を失ってしまうレベルの動画には、なかなか巡り合えないように思います。

 

YouTubeで一気に注目されたきっかけと思われる動画の内容は、タイトル通り「車を運転中に子猫を保護」しているだけです。


しかし周囲に民家の見当たらない冬の北海道で、道路を横断しようとして倒れてしまったまま起き上がらなくなる子猫の登場するシーンには、運命的な出会いを感じずにいられませんでした。

 

スーパーナブラさんの動画を全部拝見した訳ではないので分かりませんが、彼女は基本的に動画内で言葉を発せずに、字幕と背景の音楽のみで世界を表現されています。

 

私の好きな旅動画のタイプが、その地に暮らす人々と向き合う内容だから必然的にそうなのかもしれませんが、普段見ている賑やかな作品から急にスーパーナブラさんの動画を見ると

まるで別世界に迷い込んだ気分になります。

 

 

【3】乗り越える人

 

私が旅系YouTuberによって魅力を知る以前は、旅動画に対して「観光レポート」的な内容をイメージしていました。

 

しかし実際には、人種も年齢も文化の垣根も越えた交流を、笑顔と共に実現する旅系YouTuberを知り、「同じ日本人にこんな素晴らしい人がいるのか!」と驚いたのですが、感動は海外だけに存在する訳ではないようです。

 

今までの旅動画にあまり見られなかった、現地の方と同じ土俵に立ち、自身もいじられる対象になる「未知数の旅の魅力を表現する配信者が現れたことで、後に続く作品もずいぶん影響されたように思います。

 

身の安全を考えると撮影をためらうような地域にも立ち入り、いつしか企画内容の刺激の強さを競い合う構図が出来上がりましたが、それは一時取り上げられていた「SNS疲れ」と同様の性質なのかもしれません。

 

そんな「旅動画疲れ」だったのかもしれない私が、スーパーナブラさんの作品を時間を忘れて魅入ってしまう理由は、旅動画に求めていたのが刺激だけではなかったからでしょうか。

 

 

【4】がんばらなくてもいいかもしれない

 

旅系YouTuberに限らず、最近の配信者は本当に喋りが進化したと思います。

 

しかし中には決して自身のキャラではないにもかかわらず、無理にでもテンションを上げて撮影に取り組む方もいらっしゃるように感じます。

 

旧来の旅動画のイメージから脱し、新たな方向を示した先人だけでなく、広告がネットに移る流れが明らかになるにつれ、活躍の場をYouTubeに移した喋りの本職ともいえるカジサックさんをはじめとする芸能人の方々のYouTubeへの参入は、無理をしてでも頑張る流れをさらに加速させたのかもしれません。

 

潜入してみた系の旅動画もスリルがあって確かに面白いですが、そのような動画に癒し効果があるか?と問うと、刺激的な動画であればあるほど、癒しから遠ざかるのは避けられないようにも思います。

 

テレビの旅番組を凌ぐ勢いのYouTube動画も一部で見られるようになった現在、「トークなし」「字幕のみ」で伝える旅動画は、やや時代遅れなのでしょうか?

 

字幕と映像のみで人を魅了するのは、全ての人に可能ではないかもしれません。

 

彼女が自身の作品内でギャグを見せるのはおそらくこの先も無いことを、多くのスーパーナブラファンの方は感じているかと思います。

 

「よく喋る配信者」

が自身の路線ではないと知っているからこそ、無理をしてでもテンションをあげた動画があふれる中で、ストレス要素にも変化する「せりふ」を排除した世界を選んだのでしょうか。

 

彼女の魅せる世界は、YouTubeの流れに対する
答えなのかもしれません。

 

 

まとめ

 

「とりあえずふざける」バラエティ番組に多くの人が辟易していた頃、ロバート秋山さんの「真剣にふざける」スタイルが脚光を浴び、現在もその支持は続いているようです。

 

真剣にふざけるスタイルとは

自身でも気付かないうちに何枚も装着していた仮面を、全て捨てようとする試みなのかもしれません。

 

人気者として見られる努力から自由になり、自身の本当の姿をさらけ出す動画に評価が集まる時代は

 

すでに来ているのでしょうか。

 

 

 

 

 

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