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いくぴーチャンネルの映すマニラの瞳

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こんにちは。

今回は、いくぴーさんの

「いくぴーチャンネル」「ただのいくぴー」

をご紹介します。

 

旅系YouTuberの元祖とは?

 

もしそのように問うなら賛否両論ありますが、パイオニアとして「ジョーブログ」さんの名前が出る例は少なくないようです。

 

では彼がパイオニアである理由とは何でしょうか?

 

それは初期のYouTube動画が、まるでアナウンサーのようにセリフを伝えていた所から、今では個性を発揮した作品へと進化したのと同様に、

 

旅先で自分の感想を話すだけのスタイルから、例え日常会話が堪能でなくとも現地の人の「心」に飛び込むという、

シャイな日本人には今まで高かった壁を、彼が鮮やかにクリアしたからではないでしょうか。

 

今回ご紹介するいくぴーさんは、抜群のコミュニケーション能力を発揮しながらも、視聴者から感動を誘うセリフはあまり得意ではないようです。

 

フィリピンの人々の瞳に、彼はどう映るのでしょう。

 

 

【1】バジャウ族の若きリーダー

 

「【海上スラム】バジャウ族の村に秘密基地発見!【セブ島ライフ#09】」

 

 

いくぴーさんの訪れたセブ島編のキーパーソンである、バジャウ族唯一の日本人住民・松田大夢(ひろむ)さんは、

セブ島を中心としたご自身の活動をブログに記されており、その中にいくつもの興味深い記事があります

 

【http://hiromumatsuda.hatenablog.com/】

 

大夢さんのブログでは、ワンパターンだけに収まるはずのない、

実際にお金の問題に直面した際の「美しい物語」以外の生活模様も、リアルに描かれています

 

普段見せている世間体を維持できなくなった時、人は誰しも彼の記事に登場する人物のように振舞うしかないのかもしれません。

 

実際に現地の奥様と結婚し、日本同様にきれいごと以外も発生する人間関係の中で、

それでも大夢さんは、お金が全然なくても助け合う人々の方が多いと語ります。

 

彼のブログには、元々漁業を中心として暮らし、時代の移り変わりと共に従来の生き方が成り立たなくなったバジャウ族の人々が、

その日に食べる物がなく家族が物ごいに出かける中でも、過去の大夢さんの行為に恩義を感じて、彼の窮状を助ける様子が描かれます。

 

それはバジャウ族の人々と同様の生活レベルで暮らし、時には血縁関係を持たないがゆえに住民以下の不安定な暮らしも経験する中で、

徐々に絆を深めていった大夢さんだからこそ見えた情景でしょうか。

 

笑顔の種類

大夢さんは、バジャウ族の笑顔の下にある本当の感情についても記しています。

 

セブ島の人口約300万人に対して2000人と、圧倒的に少数のセブ島バジャウ族の人々は、経済的に有力な手段を持たないがゆえ物ごいを主要な生活手段に加えざるを得ず、

その様子がセブ島人口のほとんどを占めるビサヤ人の、バジャウ族に対するイメージが改善されない要因となっています。

 

ビサヤ人から見るとバジャウ族の人々は風貌からすぐに判別できるようで、時にその判別能力は歓迎とは反対の感情を表すのに用いられるようです。

大夢さんと特に仲のよいバジャウ族の人々は、ビサヤ人からの視線に対して傷ついた本心を明かさず、表面上は笑い話として明るく振る舞います。

 

同じ環境で苦楽を味わっているからでしょうか、大夢さんは友人に同調して笑いながらも彼らの心が手に取るように分かったそうです。

 

笑顔にあふれる彼らが日本人と全く同じように傷ついていることを、私は大夢さんの記事を読んで初めて気づきました。

そして、それ以上自分の心が傷つくのを避けるために笑顔を使用するのも、日本人と変わらないことにも。

 

 

先生に教える生徒

「【セブ島最大のスラム街】バジャウ族に住む日本人に会いにいってみた。【後編】」

 

 

「ゴーゴーケンゴ」さんという、主にアジアの国々の旅動画で活躍されている方が、マニラ・セブ島を訪れ、松田大夢さんにお話しをうかがっています。

作品で語られる大夢さんの「支援」についての視点に、私はハッとさせられました。

 

お金は持っていても、バジャウ族の方より日々の生活に生きる幸せを感じていないかもしれない私達が、

幸せになれる環境を「支援」するのは、むしろ立場が逆なのかもしれません。

 

大夢さんは、支援についてのあるべき姿を語るだけにとどまらず、

バジャウ族の体験ツアーを中心としたビジネスを広げて、ご自身の手でバジャウ族の雇用を生み出されています。

 

スペインの植民地から独立したのが1898年、その後の大国の統治から決別したのが1946年と、自国の有力な企業の育つ土壌が開放されてから歴史の浅いフィリピンは、

それまで前線でしのぎを削り続けたビジネスの大人達と、いきなり同じ土俵に立たされた状況だったのでしょうか。

 

我が国日本をはじめ、積極的に海外の資本を受け入れているフィリピンにとって、今は名目だけでない実質をともなった自国の独立へ向けての過渡期なのかもしれません。

 

そしてフィリピンの真の独立を、経済成長という数値以外ではかるものさしがあるとするなら、

大夢さんがバジャウ族と同じ生活を送る中で形にした支援と同様、

日本ではほぼ存在しないとされる、自身の土地を持たない農家の構図を変えることで、庶民の労働が正当に報われるときでしょうか。

 

ある少女の生活

「フィリピン農園だより」さんが、自身の農地を持たないフィリピン母子の生活を紹介されています。

「【ドキュメント】魚釣りや野菜をして暮らす貧困の野生少女【生きる為に】」

 

 

フィリピン農園だよりさんは、現在もなお外務省の渡航中止勧告が中西部地域で継続する、フィリピン・ミンダナオ島のいずれかの地域で農業に従事されているようです。

 

農業と大土地所有制・多国籍企業がほぼイコールで結ばれるミンダナオ島において、農園の周囲に暮らす人々の生活を明らかにする行為は、

多国籍企業の地元民に対する処遇を明らかにすることと無縁であるのは難しいでしょう。

 

利害の対立による非平和な解決が日本の比ではないフィリピンにおいて、顔はもちろん自身の従事している農園の所在を明らかにするのは、有意義な作品を配信する志を持つ人ほど避けたほうが賢明なようにも思えます。

 

それだけでなく今のミンダナオ島の置かれた状況は、

軍の介入する事態の根本の要因である人々の不満が、還元されない農業のシステムに対しても向けられていることを踏まえると、海外資本側と見なされるかもしれない個人情報を出すリスクは、私達の想像以上でしょうか。

 

首都マニラとは異なるリスクコントロールの難しさからか、観光地以外のミンダナオ島の様子を伝えるYouTuberの少ない現状で、フィリピン農園だよりさんは定点観測を通して住民の姿を伝え続ける、唯一の日本人かもしれません。

 

フィリピン農園だよりさんの作品には、ご自身の関係する農夫さん以外にも、上記作品で登場する母子のように定職を持たない、あるいは100ペソ等の低額で働く少数民族の方が登場します。

【出典:https://youtu.be/DMaGsrGOwfk】

 

オーストラリアの農園でワーキングホリデービザを利用し、貴重な就労経験と共に決して少なくない労働収入を得る日本の若者がいる一方で、

発展途上国の農夫が得る収入はなぜこれほど低く抑えられているのでしょう?

 

市場で同程度の流通価格の作物をとれるのであれば、農夫の収入が国によって大きな差が生まれる理由は、ひと言で表せば国の体制となるのかもしれません。

 

フィリピン農園だよりさんが他の作品にて紹介するミンダナオ島周辺の小島には、豊富な漁獲量にもかかわらず周囲の海域が不安定な情勢のため流通そのものが難しく、

お金として島に還元されない分、島民の人々のみならず家畜や猫にまでお魚の行きわたる様子が描かれています。

 

私達日本人がお世話になっているパイナップルやバナナ等、島民をうるおす資源には事欠いていないはずのミンダナオ島ですが、

フィリピン農園だよりさんの作品に登場する少数民族は、利益の還元から最も遠い所に位置するのが通例のようです。

 

植民地支配とフィリピン中央政府の国内移民の過程で、

ミンダナオ島の先住民族は、いつの間にか労働力を捧げるだけの存在へと追いやられてしまったのでしょうか。

 

 

「フィリピン:占拠 町はゴーストタウンに【国境なき医師団】」

 

国境なき医師団さんの作品からは、ミンダナオ島の開放を大義名分として行動を起こした組織と島民が、必ずしも同じ理想を共有していなかったことがうかがえます。

 

しかし依然として改善されない雇用条件に対して、

首都マニラまで赴いたデモ行動や、バナナ農園で働いていた方が2019年6月に来日し、外国特派員協会で長時間に及ぶ労働時間等の内情を伝えるなど、島民の生活環境は決して楽ではないようです。

 

大土地所有制の元で働く農夫には、今さら家族が食べるだけの畑に転換する自由も与えられず、ルールの上を強制的に歩まされる様子はまるで日本社会のようですが、

発展途上国から先進国の仲間入りを果たす過程で、彼らのような犠牲なしにたどり着こうとするのは夢物語なのでしょうか?

 

さがしもの

ツイッターやブログで情報を発信し、バジャウ族の生活を希望する日本人に門戸を開いている大夢さんの元には、

数多くの日本人が訪れています。

 

「自分の人生」とは?という問いに対し、

同じ日本社会に生きる人々に聞くのでなく、私達が「価値ある幸せ」と信じる環境とは大きく異なるバジャウ族の暮らしにヒントを求めるのは、

 

物質で張り合う世界に本当の幸せはないかもしれないと、心の中では感じているからでしょうか。

 

読売テレビ系で過去に放送した、「グッと!地球便」の松田大夢さんを取り上げた回にて、

大夢さんのお祖母様が、バジャウ族の人々の信頼を得て生活する大夢さんの様子に涙し、こう語ります。

 

佐渡も私が生まれたときは、隣同士の助け合いがいっぱいあったんですよ。

『段々それが薄れて来ましたね。』

 

私には大夢さんのお祖母様が生きた古き良き時代の経験はありません。

しかしほんの数十年前の日本に、今の私達が探している幸せの形が存在したのなら、

フィリピンと同じ輝きを日本が取り戻すのは、それほど難しくないのかもしれません。

 

 

【2】マニラへ

 

「思い付き.完全無計画でフィリピン マニラに行った結果...怖すぎた 【飛行機すら乗った事無い男の完全無計画海外旅行記】#1」

 

 

引き寄せられる人々

飛行機で約5時間の距離でありながら、単なる観光に収まらない様々な表情を引き出せるからか、次なるアジアの大国と目されるフィリピンには数多くのYouTuberが訪れています。

先日、フィリピンを題材とした魅力ある作品を探している時に、久しぶりに「原石」の輝きを感じるYouTuberに出会いました。

 

それが上記作品「ショウタの動画.」さんなのですが、

1990年代に流行したヒップホップグループ「Naughty By Nature」のロゴTシャツを着たイケイケ風の後姿からは想像できない程謙虚なトークに、皆さんはもしかするとこう思ったかもしれません。

 

この子はフィリピン大丈夫なのかしら?」と。

 

ご自身のチャンネルでは、国内のさわやかな野外活動を配信し活躍されているショウタさんですが、

初の海外作品にて肖像権への配慮が行き届き過ぎたせいか、フィリピン上陸後の処女作となる本編では、主に地面の様子を撮影するという新たな試みにも挑戦し、すでに一部の旅系YouTuberの間では話題となっているような気がします。

 

しかし冷静に彼の状況を振り返ると、

初の海外旅行を単独でフィリピンに渡航し、しかも当日の宿も目ぼしを付けず現地の知人もいないという、初心者としては大胆過ぎる選択を実行している時点で、「おどおどした感じのトーク」とは正反対の人物であることに気付きました。

 

常人ばなれした度胸をカモフラージュするため、あえて気弱そうなトークをしているだけで、サクサクとマニラを攻略してくれるのだろうと安心して私はショウタさんの作品を見ていたのですが、

 

順調に宿も決まらないまま深夜2時まで街中をさまよい続け、治安への不安からそのまま朝まで歩き続ける覚悟を配信中に語るという、

おどおどした雰囲気通りの展開を見せて下さいました。

 

その後の「捨てる神あれば拾う神あり」を地で行く流れは本編を見ていただけたらと思いますが、彼も訪れたマニラ・トンド地区には、どのような世界が広がっているのでしょうか?

 

 

スモーキーマウンテンの歴史

「【トンド地区】東南アジア1のスラム街は異次元の世界だった!【マニラ#02】」

 

 

いくぴーさんがトンド地区に暮らすバイクタクシーの男性と共に訪れた、廃棄物だけで高さ30メートルの山を形成する「スモーキーマウンテン」の頂上には、

廃棄物全体を覆った土の上に農作物や低木の育つ景色が広がっています。

【出典:https://youtu.be/k1Cd_aOnSuA】

 

スモーキーマウンテンの名前の由来である、

堆積した廃棄物から生み出されたメタンガスの自然発火により立ち上っていた煙は、現在は見られないようです。

 

大人から未就学の児童まで、過酷な労働環境の元でゴミ仕分けをする姿が国際的な批判を受けたことにより、

1995年に新たなゴミの搬入が停止され、政府がスモーキーマウンテンの閉鎖を住民に通告した段階では、スモーキーマウンテンに約3000世帯の人々が暮らしていました。

 

廃棄物処理による国民の健康被害・環境汚染を受けて1999年、廃棄物処理時に発生するダイオキシン等の有害物質に配慮した「大気汚染防止法」をフィリピンは世界に先駆けて制定します。

同法の施行により焼却処分は原則禁止となるのですが、マニラの街が生み出す廃棄物の回収は、十分に機能しているのでしょうか? 

 

いくぴーさんの訪れたトンド地区では、ゴミ回収車や消防車の進入が不可能な狭い道幅の区域も少なくないことに加え、

熱帯性の気候により生ゴミがすぐに臭いを発生してしまうので一時保管が難しく、隣接する海や川にそのまま投棄する方法が現実的なようです。

 

また上記の不可抗力とも言えるポイ捨ての習慣は、都市部の平坦な地形や熱帯地域の集中した豪雨・台風、排水路のメンテナンスに熱心ではない習慣とあいまって、

市街地を巡る排水溝を捨てられたビニール袋等が塞ぐことによる、大規模な水害の原因の一つとしてあげられています。

 

スモーキーマウンテン閉鎖からおよそ20年に渡る政府と住民の交渉の中で、2011年に政府が再開発を目的とした民間企業への具体的な売却計画を発表すると、賛成派と反対派に別れた運動はさらに動きを強めます。

 

そして2012年、反対派のリーダーを務めていた人物が名誉ある最後を遂げる悲劇が起こりました。

 

国策として海外出稼ぎを推進するフィリピン政府が、スモーキーマウンテンの住人全員に新たな雇用を用意できるはずもなく、

移転先住居として複数の集合住宅を用意する以上のことは、現実には不可能だったのかもしれません。

 

しかしスモーキーマウンテンの稼働当時、近隣に住む住人の中で水頭症等の障がいを持つ子供の出生率が異常な数値であったことからも示される、およそ生活には適さない環境について、

反対運動以外に彼らの声を届ける手段も存在しなかったのではないでしょうか。

 

改善を訴える住民の運動により、日本人監督の四ノ宮浩さん代表作「忘れられた子供達」をはじめ、世界中の注目を集めることに成功し、それは現在の海外からの支援に生きているはずですが、

記録上は2014年に全員の退去が完了したスモーキーマウンテン住人のほとんどが、場所が変わっただけで再びゴミ拾いの仕事に従事しているとされています。

 

 

彼女の選択

「デレッチョ フィリピン編 第16話 スモーキーマウンテン トンドと閉鎖された山編」

 

 

「デレッチョ」の一平さんが、2013年頃と思われるスモーキーマウンテンの様子を紹介されています。

作品では山を覆った土の下から煙が立ち上る様子が見られ、稼働当時の煙の規模がしのばれます。

【出典:https://youtu.be/L2_7HmQOSxM】

 

すでにほとんどの住人の退去が済んだ様子のスモーキーマウンテンに住み続ける女性に一平さんはインタビューを行い、彼女は山に作物を育てて暮らし始めてから9年になると語ります。

 

実際に彼女と同じ水準の生活を送らないとその苦労は分かるはずもありませんが、

集積所で搬入されたばかりのゴミを有利な場所で拾うには、コミュニティに参加して自分の集めたゴミの半分を収めるシステムもあるとされる中、一見激しい競争とは無縁な様子の彼女は穏やかな表情に見えます。

 

ご本人の意思次第で他の住民と同じように政府の用意した住居に移り住むことも可能だったのかもしれませんが、移転先の仕事を何も保証されない・自分で獲得できる可能性も低そうなのであれば、

私達が同じ状況に立たされた時、どのような選択がベストなのでしょうか?

 

トンド地区内の貧富

スモーキーマウンテンを後にしたいくぴーさんは、バイクタクシーの男性の案内によりトンドを巡るのですが、

トンド地区の入り口にたたずむ少女達はそれぞれスマホを手にした身綺麗な服装をしており、この後訪れるハッピーランドで出会う少女とは生活レベルがずいぶん違うように見えます。

【出典:https://youtu.be/k1Cd_aOnSuA】

 

子供の学費をねん出するためトンド地区に移り住む家族の例もあるとされる中、都市部の生活を維持できなくなった人々の受け皿としても、この街は機能しているのでしょうか。

 

通りの電線から非正規で電力を引き込む「ジャンパー」と呼ばれる光景がいくぴーさんの目の前に広がります。

【出典:https://youtu.be/k1Cd_aOnSuA】

 

マニラ首都圏の最低賃金である日額500ペソを達成すると、1ペソ2円・周6日計算で年収約30万円となりますが、

世帯年収で約40万円までの層がフィリピン人口の60%をカバーするという統計にならうと、日本と同水準とされるフィリピンの電気料金を支払える世帯は少数派でしょうか

 

ジャンパー行為による不正利用者を、電力会社が新聞に顔写真付きの個人情報を掲載する一方で、フィリピン政府は支払い能力を下回る生活実態と共に選挙の行方を左右する住民に対して黙認の姿勢を取っているとされています。

 

 

【3】ハッピーランド

 

現地男性の案内で、トンド地区を構成するいくつかのバランガイ(最小行政区)の中でも最貧困地区とされる「ハッピーランド」を訪れたいくぴーさんは、ペットボトルの仕分けを行う少女達に出会います。

【出典:https://youtu.be/k1Cd_aOnSuA】

 

もし日本で同年代の子供が彼女達と同様の作業に従事するなら、法律上も道義的観念からも非難されるのかもしれませんが、不思議と子供達の瞳は明るく感じます。

日本のみの観念でなく、世界的に見ても小学校に通う前後の子供を労働に従事させるのは許されない・虐待とする考えが大半でしょうか?

 

都合の悪い部分を弱者である発展途上国に負担してもらいスマートな生活を送る我々日本人よりも、

いくぴーさんの目の前でゴミ仕分けに従事している、現代社会の享受する飲食物の結末を最後まで見届けている少女のほうが、社会の本当の姿を知っているのかもしれません。

 

世界のプラスチック総生産量の内、実際にリサイクルで再資源化されるのは約1割と、先進国の胸を張るクリーンなシステムが幻想であるのは、

2017年まで「世界のゴミ捨て場」として機能していた中国が廃プラスチック受け入れ条件を一気に引き上げた結果、先進諸国が受け入れ先確保に苦労し、中身を偽ってまで廃プラスチックゴミを輸出しようとして外交問題に発展した出来事が証明しているでしょうか。

 

「BBC News Japan:「プラスチックごみを送り返す」 マレーシア、富裕国に抗議」

 

 

普段廃プラスチック輸出について、有意義な行為と信じ込むことで使い捨てプラスチック製品使用の罪悪感を忘れようとしていたからかもしれませんが、

一国の環境相が「先進国のお約束」を見事にスルーした上記作品内の発言は、映像として日本のテレビ局が取り上げるには、現段階では刺激が強すぎるかもしれません。

【出典:https://youtu.be/Qqt8Tegt-ik】

 

便利な生活の権利を人はかんたんに要求しますが、義務としての代償を力のない国に押し付けようとするのはリサイクルの世界に限った話ではないようにも見えます。

各国単位で自国の消費した廃棄物を全て処分する必要があれば、自国民の引き起こす様々な疾病から、現在の使い捨てプラスチック製品規制の流れはもっと早い段階で広まっていたでしょうか。

 

「街から学ぶ、レジ袋が消えていく街 - ラスピニャス市」

 

「ぽてたいむPotetime」さんは、各自治体単位で使い捨てプラスチックの不使用が進められているフィリピンの中で、「ラスピニャス市」の取り組みを紹介されています。

フィリピンに対して我が国日本から先進的な廃棄物処理施設の支援が進められていますが、肝心の使い捨てプラ容器を利用する意識自体は、私達日本人はフィリピンから輸入する立場にあるのかもしれません。

【出典:https://youtu.be/YcRvqSLKH0k】

 

すでに使い馴染んでいるサービスを手放す際、一時的に苦痛をともなうのは人種を問わず人間に共通した特徴でしょうか。

 

「未来の地球環境・子供達に優しい街づくり」の話題は多くの現代人にとって大好物のようですが、

地球環境を日々脅かし続けている使い捨てプラスチック容器の登場する場面では、完成された2重人格者のように抵抗なくサービスを利用するようです。

 

しかしぽてたいむさんの紹介するラスピニャス市のように、最初の一歩を踏み出した人々の様子からは、一時的な苦痛を上回る充足感があるようにも感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の動画中や他の方の取材でも、多くの子供が裸足のまま街や廃棄物の上を歩き回っていますが

それは危険個所に熟達しているからではなく

工業製品や医療廃棄物を、素足で踏んでしまうことから逃れられません。

 

【4】海外出稼ぎの狭き門

 

国家予算の柱となる輸出資源を育てている段階のフィリピンにとって

出稼ぎ労働者は最大の輸出産業に位置しています。

海外の出稼ぎ労働者からの国内送金は、GDP(国内総生産)の1割に達し

クリスマス前に一斉に一時帰国する労働者を

マニラ国際空港にて歴代の大統領が「英雄:Bagon Bayani」として国をあげて出迎えています。

報酬

多くのフィリピン国民が海外に仕事をもとめる理由は

国内の仕事の少なさだけなのでしょうか?

苦労して得たはずの資格を放棄してでも、海外の就労が有利な現象は

国内の医師が海外で看護師として働く例も生み出しているようです。

近年は潤沢なオイルマネーを擁する中東諸国が、フィリピンからの海外就労先として高い割合を維持し続けています。

フィリピンの人が持つ癒される人格から、優先的にフィリピンからの労働者を受け入れる現象も見られますが

海外の環境は、安易ではないようです。

 

 

まとめ

 

観光目的で訪れるにはリスクの大きいフィリピンの貧困地区に、旅系YouTuberだけでなく

多くの日本人が惹きつけられる理由は何でしょうか?

近すぎて見えない日本の生活を、最も客観視できる国の一つが、

ここフィリピンなのかもしれません。

-海外

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